メタバースという言葉は知っていて、興味はあるけども、一歩使うのには躊躇っている、難しそう、怪しい、一時的な流行で終わるのでは…と不安をお持ちの方も多いかもしれません。

なつラボのミッションは、

  • メタバースに触れたことのないメンタルヘルスに関わる人たちへ、メタバースの活用方法を伝え、可能性を引き出す1つの手段、選択肢として支援の幅を広げてもらうこと
  • メタバースを使った支援を通して、心身に問題を抱えていて今まで社会と遮断されていた子どもや大人たちが、社会と繋がりが持てるようになること

もっとテクノロジーを前向きにとらえて、メタバースを活用できる支援者が一人でも多く生まれるよう支援をしています。

不登校の子どもたちへの支援で体感した
メタバースの可能性

実際に不登校の子どもたちを対象にメタバースを使った例では、最初は緊張してなかなか動けない子どもたちもいましたが、プログラムが進むたびにだんだんと自らコミュニケーションを取り、スタッフや参加者と交流を楽しむ様子がありました。メタバースの空間では、様々な方法でマイクをオンにしなくても自然なコミュニケーションを行えます。マイクオフだった子が、途中からマイクオンにすることもありました。

普段、家族以外とほぼ交流がない子どもが、メタバースならなんだか面白そうだからやってみると言い、12人程度の2時間近くのプログラムに参加し、最後には楽しかったと感想を述べていました。

私は普段、仕事で社会との繋がりを持てない子どもたちと関わることもありますが、この体験を通じて子どもが変化したことは、奇跡的なことだと感じます。

社会につながり続けるためには、最初の一歩が”楽しい体験”でなければいけないと考えています。

メタバースとは?

メタバースは、PCやスマホ、VRゴーグル(HMD)等を使い、インターネットにある「空間」にアクセスすることで使うことが出来ます。

その「空間」では、アバターを使い、現実と同じように人とコミュニケーションをしたり、自由に言動ができます。その「空間」のことをメタバースといいます。「仮想空間」と呼んだりもします。

なぜメタバースを使うのか?

メタバースは、インターネットさえ繋がれば、家に居ながらでも世界中どこでも、人と交流することが可能になります。そのため、精神的や身体的な事情がある方に関しては、家から出ることが難しい方でも社会と繋がれる可能性があります。他にも、アバターを使うことで、性別や年齢、外見等にとらわれずに、人と交流ができることで、よりフラットな状態でコミュニケーションをとることが出来ます。

人と繋がれる場所を作りたいけども、なかなか作ることが出来ない。場所を作れたとしても、実際に来てもらうが難しい。そのような時にもメタバースは役に立ちます。

VRゴーグル(HMD)とは?

メタバースは、switchやプレステーションのゲームのように、ディスプレイ(画面)上でアバターを操作することもできます。メタバースのプラットフォームはいくつかあり、「cluster」は特にスマホからアクセスする方が多く、その手軽さから、多くの方に利用されています。

そこで、メタバースをもっとよりよく活用していくために使われるものとして、VRゴーグル(HMD)という機材を使う手段があります。VRゴーグル(HMD)は、目を覆う形で頭に装着し使用するものです。

実際に使用するとわかるのですが、現実世界と同じように周りを見渡す時には、頭を実際に動かしてあたりを見渡します。物をつかむときには、実際に腕と手を動かし、物をつかみます。

物や人の距離感が、まさに現実世界とそっくりで、メタバースの空間にいるけども、脳が錯覚し、実際にその場にいるような体感を感じます。例えば、メタバース上で高い橋の上から飛び降りるようなことをした場合、メタバースだから怪我をすることは無いと分かっていても、とても恐怖を感じることがあります。

リアルな感覚を通して、現実世界がより広がったような、感動的な体験をすることができます。

VRゴーグル(HMD)が支援に役に立つ理由

インターネット上での支援や講習、カウンセリング等の活動は、近年、ZOOM等を使った通話カウンセリングやメールでのサービスが増えてきました。教育現場でもメタバースを活用する例も徐々に出てきました(例えば⽴命館守⼭中学校・⾼等学校で行われている「デジタル保健室」)。ただ、どのサービスも、ディスプレイ上で行われることが多く、VRゴーグル(HMD)を使った支援はまだまだ少ないと感じます。

理由1:より現実に近いコミュニケーションをとれる

なぜ、ディスプレイ上ではなく、VRゴーグル(HMD)を活用するかというと、よりリアルな体験が可能であるということです。つまり、人との交流する時に、よりリアルに近い状態でコミュニケーションをとることが出来ます。実際にHMDをかぶっていることで、頭を動かしうなずきがあったり、手を振ったりと、「実際の体を動かすこと」が重要になってきます。リアルな体験に近いので、人(アバター)の目線もなかなかリアルに感じます。

理由2:安心感・安全感がありながら、チャレンジできる

人との交流が苦手な方にとって、より良い点としては、「安全を確保した上で、人との交流に挑めること」という点です。実際に外出した場合は、疲れても家に帰ってくるまでに時間がかかります。メタバースでの交流は、HMDを外せばすぐに、人から離れて休憩ができます。また、子ども達にとっては、ゲーム感覚での交流が可能になるので、交流へのハードルの低さにもなりえます。

理由3:現実ではできない、コミュニケーションのスタイルがある

メタバースであると現実世界では不可能である、「不自然なコミュニケーション」が「不自然ではなくなる」という点です。メタバースでは、心身の事情の他にも、ご家族がいるのでマイクが使えない事情の方もいらっしゃるため、マイクをオフにしてコミュニケーションをとっている人たちがいます(一部では、“無言勢”と呼んだりします)。発話がなくても、チャット機能や絵文字を使ったコミュニケーション。HMDであれば、より幅が広がり、身振り手振り、空中にペンで文字や絵をかいてコミュニケーションすることが可能になります。言葉でのやりとりに苦手さがある方にとって、交流へのハードルを下げてくれます。

理由4:顔が見えなくても、非言語的な情報を受け取ることができる

メールカウンセリングを利用する方の中で、ZOOM等を使い、顔を出して通話することへの苦手さを感じている方がいます。メールで伝えきれないニュアンスのお話しをする時だったり、相手の反応に合わせてお話したい時には、実際に声でやりとりできたら、と思うことがあります。顔を出すのではなく、アバターであれば抵抗が少なくなる方もいらっしゃいます。その時に、HMDを使って通話をしていると、頭の傾き、うなづき方、身体の動きから、電話やメールでは伝わってこない非言語的な情報を得ることが出来ます。そのため、カメラオフの通話やHMDを使わないディスプレイ上のみよりも、相手の様子を受け取りながら、コミュニケーションをとることが可能になります。

理由5:空間を、自由に設定できる

「仮想空間」は自由にカスタムできます。そこで、安心しやすい空間にすることもできれば、苦手な場面を想定した仮想空間を用意し、チャレンジの場の1つとして活用することもできます。メタバースでは、手遊びできるようなものだったり、ゲームも種類が豊富で、人が集まらないと出来ないようなボードゲームとは相性が良いと感じています。メタバースは人を集めやすいこともメリットの1つなのです。人が集まりやすい分、幅広い年齢層、普段出会わない職種の方との繋がりが出来たり、アバターであることで性別も意識せずにコミュニケーションをとれる機会になります。アバターを自由に変えられることで、ロールプレイのようなこともしやすいです。

メタバースでの支援の難しさについて

だんだんと、メタバースについての情報も増え、HMDのレンタルが出来るサービスも増えてはきましたが、まだまだHMD所持者が少ないのが現状です。

メタバースを使いこなすためには、知識と準備が必要です。また、インターネット環境を使ってのイベントは、思わぬトラブルも多く発生したり、それらを解決するためには知識が必要だったりと、苦労する点は度々起こります。そこで、メタバースを約3000時間以上利用している私に、ぜひご依頼いただければと思います。

メンタルヘルス支援に
メタバースを活用する方法をお伝えします。

メタバースに触れたことのないメンタルヘルスに関わる人たちへ、メタバースの活用方法を伝え、メンタルヘルスケアの可能性を引き出し、支援の幅を広げるサポートを行っています。お気軽にご相談ください。